政見、政治姿勢 バックナンバー.004


住民自治のフロントランナー

北海道ニセコ町

1)スキー場そして有島武郎

北海道虻田郡ニセコ町。スキー好きの人は、ニセコアンヌプリなど雪質の良さで鳴る六つのスキー場を擁する町として、また、文学通の人は、「或る女」、「カインの末裔」などの作家、有島武郎が農民に開放した農場跡を今に留める町として、ご存知のことと思います。有島武郎はこの農場にあった屋敷に滞在することを好み、作品のいくつかはそこで執筆されたそうです。


2)ニセコ町まちづくり基本条例

5月の末に、そのニセコ町へ行ってきました。物見遊山のためではなく、議員としての研修が目的でした。農業と観光で成り立っている、しかも、人口わずか4,600人の町が情報公開と住民自治を徹底して実現し、全国に名を馳せるようになって以来、研修に訪れる地方自治関係者は後を絶たないそうですが、とくに3年前に施行された「ニセコ町まちづくり基本条例」は日本ではじめての“まちの憲法”としてすっかり有名になりました。それがどうやってできたかを当事者から聴くための旅行でした。


3)空文でない「まちの憲法」

条例は前文で“まちづくりは、町民一人ひとりが自ら考え、行動することによる「自治」が基本です。”と述べ、第2章では「情報共有の原則」、「情報への権利」、「説明責任」、「参加原則」などまちづくりの基本原則について定めています。憲法らしく、町民に対しては様々な権利を保証し、町政の執行機関には多くの義務を課し、権限を制約しています。しかもそれが、町長自らの方針によっているのです。函南町で起きた町長、助役、収入役の謀議による公金での株式投資など絶対に起こりようがありません。何よりも素晴らしいのは、この条例が空文ではなくその通り実践されていることです。と言うよりも、この条例はすでに実行されていたことを文章に定着させるという側面を持った作業だったのです。役場の課長会議も公開で、開くのは夜間とのことです。まちの職員の電話メモすら情報開示の対象で、町長などの執行機関だけでなく職員の仕事の一切も白日に晒して恥じないものであることを、要求されています。


4)函南町にもいつかはそんな日が

函南町の現実からはあまりに遠い道のりですが、いつかは行政と住民が情報を差別なく分かち合い、それを基に住民が建設的で生産的なまちづくりの担い手として、行政や議会と対等に協力できる住民自治の時が函南町にも実現することを目指して、皆さんと力を合わせて行ければと願っています。


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