政見、政治姿勢 バックナンバー.002


函南町の名前が全国に!

3月17日に私が行った一般質問と、それに対する町長、助役、収入役の答弁によって、函南町が公金を株式や不動産ファンドに投資している事実が表面化し、マスコミの注目を浴びました。朝日、毎日、産経各紙は18日の朝刊でこのことを全国ニュースで報道し、読売、静岡、伊豆日日各紙も地方版で扱いました。とくに読売は3分の1ページ以上を割いて詳しく報道しました。また、テレビも17日、18日の2日に亘って静岡ローカルニュースとして放映しました。さらに、私は東京新聞からも取材を受けましたが、記者の話によると同紙の特別報道部が取り上げるとの事です。
函南町の名が日本を代表する有力紙によって全国に伝えられるという、きわめて稀有な出来事が発生したのです。


地方自治体による「公金で株式投資」の異常性

これほどにマスコミに注目され報道されたのは、地方自治体が公金の運用のために株式や不動産ファンドのような、価格の変動が激しく、元本割れの危険を有する相場商品に手を出すことは、異常だからです。地方自治法でも基金は「確実かつ効率的に運用しなければならない」と規定されています。この「確実かつ効率的」の中味は元本保証があることです。それが総務省の見解であり、一般的な公式見解です。ですから、日本全国のどの自治体も基金を元手に証券市場から株式を買うことは自ら禁じているのです。
その禁忌を函南町はいとも簡単に破ったのですから、全国に例のない自治体としてニュースになるのは当然なのですが、当事者たちにそれほど大それた事をしたという認識がないのは驚きです。


ほんとうに違法性はないのか

町長は私の質問に対する答弁の中で、公金(具体的には財政調整基金)で株式を買うことは違法でないと述べています。その根拠に使われているのが県の「市町村財政室」の見解です。
しかし、県側が「違法」だと明言したわけではありません。県が示したのは、「地方公共団体が企業に出資する事を禁止する規定はないので公益上必要があれば差し支えないといえるが、営利事業に対する出資は、地方公共団体の存立目的から好ましいものとはいえない。しかし、基金等の財産の維持、積み立て管理の一形態として出資により株券を保有することは差し支えないといえる。」という、やや明瞭性を欠く注釈のついた行政実例に過ぎません。町側は、これを我田引水風に解釈して違法でないと言っているのです。ここに言う「出資」とか「株券を保有する」という意味合いは、マーケットで株を買っては売り、売っては買うということとはほど遠いことであって、函南町の議会で町長や収入役が、「市町村財政室」への問い合わせに対する回答を引き合いに出して、「違法ではない、県に公認された」と言ったことを県の当局が知ったら、どのような反応が返ってくるでしょうか。
いずれにせよ、違法性がないと断言できるほど、確実な根拠があるわけではありません。


議会にも住民にも黙っていたのは何故?

行政が議会に無断で財政調整基金を取り崩し、「確実で効率的」という地方自治法の条文に反する株式や不動産ファンドを買い入れ、しかも保有するいとまもなく売り払う、そういう投機的な基金の運用に函南町は手を下しました。そんなことが本当に自治体に許されるのでしょうか。こんなことが本当に合法なのでしょうか。

違法か合法かの議論は別としても、普通の自治体なら、このような異例な公金の運用を図るに当たって住民の代表機関たる議会に、あるいは直接住民に、なぜこのような危険を冒してまでも、皆さんからいただいた税金を株式や不動産ファンドに投資したいのか、その理由や事情を詳しく説明し納得を得る努力をするでしょう。それが、住民の利益や福祉の増進のために、住民の税金によって雇われている行政の当然の責務です。それをせず、しかもその必要もないと、私の質問に答えて町長や収入役は言っています。

とは言え、普通の自治体なら公金で株式を買うことなど元々考えもしないでしょう。
実際に公金を使って株式を買っても利益が出るか損が出るか予測できません。株式は日に日に価格が変動します。一日のうちに数パーセント変動することもあります。それほどにリスクの大きい運用対象です。ですから、放胆を以って鳴る我が函南町の町長といえども、公金で株式を買うことを事前に議会に諮り、あるいは住民に明かすことは、損失を出した場合のことを恐れてできなかったのでしょう。結果としてたまたま利益が出たので、買ってから5ヶ月ほどしてようやく議会の総務委員会に話す気になったというのが真相だと察します。つまり、隠密裏に進めるしかないような危ない橋を函南町の行政は渡っているのです。


議会の存在意義が問われている

私は町長に対し、いま持っている株や不動産ファンドを直ちに売り処分するよう勧めました。しかし、町長は今後も投資を止める意志がないことを明言しました。このような事態にあって存在意義を問われているのは議会です。全国に例を見ない危険な公金の運用の実態が明らかになり、全国的な話題を呼んでいる中で、函南町の町議会がどのような行動をとるか、函南町の町民は言うまでもなく、多くの国民が注目しているはずです。行政との密着度の濃い多数会派の議員といえども、この局面で議員としてどう振舞うべきか真剣に考え、議員本来の義務と責任に忠実になろうと決意しているに違いありません。そう信じます。今こそ、町民の負託に応え、町民の利益を守るために議会がその存在価値を明らかにする時です。


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