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静岡県議会議員 千石貞幸
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県政報告

県政報告書「せんごくしっぷ」の先行掲載

私は県議になってから、「せんごくしっぷ」という県政報告書を田方郡の有権者の皆さんにお配りしています。原則として3か月に一回のペースで出すことにしていますが、第1号の発行が遅れたので今度出すのは第3号です。印刷上がりが5月23日ぐらいの予定なので、そのあと配り始めますが、一足先にここに原稿を掲載することにしました。

静岡県議会議員 千石貞幸の県政報告
「せんごくしっぷ」

1.空港関連予算に異議あり

2月22日に始まり、3月19日に終わった先の議会では、知事提出の平成20年度予算案が審議され、原案通り可決されました。しかし私は、空港関係予算のいくつかの費目について賛成できず、議決の行われる前に、反対討論をしました。

空港関係予算は総額で136億5千万円ですが、私が反対したのはそのうち、空港需要拡大事業費、開港準備事業費、就航促進事業費、空港開港期観光マーケット開拓事業費として計上されている38億7千万円についてです。

私の反対理由ははっきりしています。これだけの費用を正当化できるだけの効果はまったく期待できないということです。つまりは税金の無駄づかいであり、県民に対する不当な負担の押しつけである、ということです。

空港事業の収入の90%は着陸料です。そして富士山静岡空港に期待できる着陸料収入は、すでに就航が決まっている日航、全日空、アシアナ航空のあわせて一日7便、鈴与の一日2便で年間1億6千万円程度です。仮に、上記の事業が功を奏してさらに一日7便が上乗せされても、3億円が限度です。収入を1億4千万円増やすために、8億7千万円の費用(上述の38億7千万円のうち30億円は空港ビル会社に対する低利融資なので、ここでの議論では8億7千万円だけを問題にします)をかけるのは県民の利益に反します。そういうことを私は言いました。他にもいろいろ述べましたが、要点はそれにつきます。

私としては常識的なことを言っただけですが、議場からはずいぶん野次と怒号が飛んできました。ざっと見たところ20名ほどの議員が怒りの表情をあらわにして野次をとばしていました。何がこれほどこの人たちの気に障ったのか分かりませんが、空港に関して批判的なことを言うのはタブーのような雰囲気が議会にあることは遺憾です。

ところで、新聞などでは、予想される静岡空港の赤字は3億円ほどのように報道されていますが、私の試算ではとてもそんなものではありません。県は着陸料などの収入と空港の維持、管理に要する費用だけを取り上げて、数億円の赤字だと言っていますが、その他に空港事業に専従している県の空港部の職員の給与が8億6千万円、需要拡大費や就航促進費が8億7千万円(今年度)、それに空港建設のために借り入れた借金の利息があります。それらは言うまでもなく、空港事業のための費用です。それらを算入した空港事業の実質的な赤字は年間30億円、40億円にものぼると予想されます。そのことも討論の中で指摘しました。

県は空港のこととなると歯止めなしに税金を使おうとし、ほとんどの議員もそれを容認する態度をとっていますが、一人ぐらいは多くの県民の立場に立ってそれに異議を唱える議員がいなければ議会の存在理由はない、と私は思います。

2.県の道路予算と道路特定財源

今年4月一ヶ月はガソリン税等の暫定税率が廃止されたため、そのぶん国や地方の道路特定財源が減ることになります。県は暫定税率の存続を前提に平成20年度予算を組んでいるので、いずれ補正が必要になります。それ故、平成19年度予算にもとづき静岡県の道路予算と道路特定財源との関わりについて報告します。

県の道路予算の総額は878億円です。財源の内訳は、一般会計(県税等)120億円、借金等298億円、国の道路特定財源(揮発油税、石油ガス税など)からの交付金、補助金154億円、県の道路特定財源(軽油引取税、自動車取得税など)306億円となっています。県の306億円のうち暫定税率相当分は146億円なので、暫定税率がなくなると146億円がまるまる減収となるだけでなく、国の交付金、補助金154億円に含まれる暫定税率分77億円も消えて、総額223億円の道路財源がなくなると県は試算していました。しかし一ヶ月後には復活したので、その12分の1程度の減額にとどまるかもしれません。

878億円ですが、すべて新しい道路建設に使われるわけではありません。過去の借金を返済するために219億円が消えてなくなります。既存道路の維持、管理にも69億円かかります。残りの590億円が道路の改良、新道路建設、交通安全施設の建設に向けられます。590億円には国の直轄事業に対する負担金(いわゆる上納金)87億円が含まれています。

国は来年度から道路特定財源をなくし、一般財源化する方針ですが、それの維持を求めている自治体も少なくなく、静岡県も例外ではありません。しかし、道路特定財源は廃止すべきです。他のどんな事業よりも優先して作らなければならない、真に県民が必要とする道路があれば、一般財源を用いて作ればよいことです。

ある県会議員が別の県会議員に、「道路特定財源が無くなったら俺ら県会議員は要らなくなるな。だって、俺たちの仕事の7割は道路建設の陳情だからなぁ。」と話しているのを耳にしました。こういう人たちのために道路特定財源があるとすればなおのこと、それは廃止しなければなりません。

3.後期高齢者医療制度と県政

後期高齢者医療制度についてはマスコミ等を通じて様々な問題点が報道され、80%を超える国民がその廃止または見直しを求めているとの世論調査の結果もあります。一部の自治体を除いては4月15日の年金から保険料の天引きがはじまり、中には驚きと怒りで身の震える思いをされた75歳以上の方も少なからずいらっしゃると思います。この欠陥だらけの制度はきっと見直されるか、廃止される方向に動くと思いますし、そうなることを願っています。

ご存じのようにこの制度の運営主体は、都道府県単位で設立され、すべての市町村が加入する広域連合です。わが県では静岡県後期高齢者医療広域連合というのが正式名称で連合長は小嶋善吉静岡市長です。そこには重要事項を決めるための議会があって定数は20名、議員は特定市町村の首長と議員が務めています。

この制度を財政的に支えるのは、1)75歳以上の方が支払う保険料(10%)、2)健保や国保からの支援金(40%)、3)国、県、市町村が4/6,1/6,1/6の比率で負担する公費すなわち税金(50%)ですが、昨年度まであった老人保健制度(やはり75歳以上の方が対象)においても公費負担の割合は50%で、国、市町村の分担率は同じでした。しかし、県の平成20年度老人医療費予算は19年度より52億円増えて、約258億円となっています。つまり、後期高齢者医療制度は県にもまた新たな負担を強いるものなのです。

ここ数年、医療や介護の分野で施行された新たな法や制度は、リハビリに対する保険給付の早期打ち切りとか療養病床の大幅削減を含め、国の財政負担を減らし、国民や地方の負担を増やすか、サービスや給付の水準を下げるものばかりです。後期高齢者医療制度には、75歳以上の方を強制的に独立した保険制度に加入させ、その制度にだけ適用される保険給付や医療の制限を通じて、国の医療費負担を減らす狙いがある(あるいは、あった)ことは否定できません。

4.県議になって1年−簡単なまとめ。

県会議員になって1年が経ち、4回の定例議会を経験しました。本議会では、昨年12月に一般質問を行い、今年3月には空港関係予算ならびに空港の管理や使用に関する条例に対し反対討論をいたしました。所属していた厚生委員会では所管事業についていろいろな質疑や提案をしました。

一般質問で私が行った提案が二つ採用されました。ひとつは県立がんセンターの経営改善に関するものです。看護師不足のために病床の利用率が計画に達せず、経営の足を引っ張っている現実に対処するため、全国の看護学校との密接なネットワークを築き、毎年必要なだけの看護師を採用できるだけの基盤を作り上げる必要を説き、そのために専任のリクルーターを採用するよう提案したところ、今年度予算でそれが実施されることになりました。

また、有機農業推進法の施行を受けて、県の有機農業推進計画を早期に策定するべきだとの提案をしましたが、今年度中にそれに着手することが決まり、必要な予算措置も講じられました。

一般質問も、反対討論もノー原稿でこなしましたが、静岡県議会では前例のないこととして話題になりました。嬉しいことに、次の議会では若い新人議員が私に続きました。また、反対討論に対しては議場が騒然となるほど野次が飛んできましたが、そんなことも議会の活性化を試みた私の努力が無駄ではなかったことの証しかもしれません。

新人議員としてはそれなりの活動ができた1年だとは思いますが、フラストレーションを感じたことも一度ならずあります。静岡県議会には様々な旧弊があって、新人議員や無所属議員、あるいは少数派議員に対する発言の制限をしています。それがフラストレーションの原因です。これからは何とかそのような悪しき慣行を取り除く努力をしながら、より活発な言論活動をこころがけて参ります。

お知らせ

6月定例議会が6月20日に始まります。私は6月30日(月)に一般質問を行います。質問内容についてはこれから詰めますが、空港問題についてはまだまだ知事に質さねばならないことがあるので、逸することはできません。

 

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