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静岡県議会議員 千石貞幸
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県政報告

野次と怒号のなかの反対討論

2月定例議会最終日の3月19日に、私は2つの議案に対する反対討論を行いました。討論中私は自民党議員団の諸氏から野次と怒号を浴び、議場は騒然としましたが、傍聴席の皆さんもびっくりなさったことでしょう。これも議会の活性化といえばそうかもしれませんが、自分達の気に食わない討論にも静かに耳を傾ける品位と節度を欠く点では、静岡県議会も国会クラスということになるようです。

以下に私の討論の全文を載せます。これがなぜ自民党議員団をそれほど興奮させたのか、お読みなって不思議に思われるのではないでしょうか。

なお、最後の段落の部分は話すつもりで抜かしてしまいました。

 

 私は知事提出議案のうち第1号議案、静岡県平成20年度一般会計予算案の空港に関連する企画費および産業費の一部、ならびに県民費のうちプロジェクトTOUKAI-0にかかわる事業費、さらに第69号議案、「空港の施設管理ならびに使用料に関する条例」に反対の立場で討論を行います。

ここ数年、県は予算編成に当たって財源不足問題の解決に相当頭を痛めて来たものと思いますが、平成20年度予算案では財源不足の度合いが一段と厳しさを増したことが見てとれます。県債発行額903億円には財源対策債187億円が含まれていますし、臨時財政対策債も前年比22%増の400億円の発行が予定されています。これらの起債分の元利償還金は基準財政需要額に算入されるという形で、後年度に交付税措置されますが、だからと言って、財源対策債も臨時財政対策債も県の借金であることに変わりなく、その元利償還金は確実に公債費として発生してきます。その公債費がすべてプラスされて後年の交付税として交付されてくることはありえず、赤字県債の発行は後年度の県財政の圧迫要因であることは否定できません。さらに、20年度の予算案で深刻なのは、いわゆる財政5基金の336億円の取り崩しです。300億円を超す基金の取り崩しはここ数年続けて行われてきたことですが、今回の取り崩しで問題なのは、これによって当該5基金の平成20年度末現在高が平成19年度のそれの519億円から188億円まで落ち込んでしまうことです。しかもそのうち財源不足の補填のために充当できる、活用可能額は167億円です。これは若干増やせる余地があるようですが、それにしても活用可能基金がここまで減ってしまうと、平成21年度以降の予算編成は重大な危機を迎えることになります。
 空港関連予算を評価し、判断するに当たって、県がこのような財政状態に向かいつつあることを私たちはしっかりと頭に入れておく必要があります。

さて、そういうたいへんな財政状態にあって、20年度一般会計予算の中には富士山静岡空港の開港に向けて様々な空港関連事業費が計上されていますが、私はそのうち、第3款企画費、第1項、第2目のなかの空港需要拡大事業費、第2項、第3目、空港建設費の中の開業準備事業費、就航促進事業費、そして第6款産業費、第7項、第1目のなかの空港開港期観光マーケット開拓事業費に計上されている予算額をそのまま認めることに反対します。その理由をこれから説明します。

以上に挙げた事業費は全部で3,869百万円になります。そのうち30億円は、富士山静岡空港株式会社への貸付金なので、これについての話は後にして、まず30億円を除いた869百万円について述べます。この869百万円のなかには開港記念行事のための一時的費用が入っていますが、それも含めてこの費用はより多くの路線を誘致し、より多くの便数を確保することを目的とする販売促進ならびに広告宣伝費であり、結果として空港事業の収益性を高めるためのものであるはずです。

では先ず、富士山静岡空港から全体としてどれぐらいの事業収入が見込めるか予想してみます。事業収入の主なものは着陸料です。他に停留料とかもありますが、合わせても1割そこそこですから、着陸料だけで収入の全体が測れます。国内線の着陸料を本則の3分の2、国際線のそれをそのまた半分として計算します。現在就航が確定している国内便3路線1日6便、国際線1日1便による着陸料収入ですが、使用される機材がどの路線もボーイング737−800とかエアバス320クラス、つまり最大離陸重量70トン前後のものとして計算すると、国内線では1便当たり63,000円ほど、国際線ではその半分です。すべての便数を合わせた着陸料は年間約150百万円になります。それに一日3便予定しているという鈴与のリージョナル便の着陸料を加えます。着陸料の割引率を他の国内線と同じとすると、年間約2,500万円、それを含めたトータルの年間着陸料は約175百万円です。
  これが、現在就航が確実視される路線、便数から見込める富士山静岡空港の事業収入です。
 では、私が問題にしている869百万円の販売促進、広告宣伝のための事業費をかけて追加的に期待できる事業収入はどれほどになるでしょうか。

予定されている対策が功を奏して、平成21年度に鹿児島便、中国便、台湾便、香港便がそれぞれ1日1便就航したとします。それによる1年間の着陸料収入は鹿児島便2,300万円、中国便、台湾便、香港便合わせて3,450万円です。また国際チャーター便の誘致策が実り年間200便が来たとします。それによる着陸料は約630万円です。これらを合わせると6380万円です。平成20年度予算869百万円を用いて行う販売促進、広告宣伝事業の成果を最大限に見込んでも期待できる収入の増分は6,400万円ほどに過ぎないということが分かります。既定の就航路線、便数による着陸料が17,500万円、新たな就航に望みをかける路線、便数による着陸料が6,400万円、合わせて23,900万円が富士山静岡空港事業に期待できる着陸料収入の当たらずとも遠からずといった見通しです。国内線がさらに1便増えたとしても2,500万円になるだけです。停留料などの収入があり、全体としての収入はさらに2,3千万円ほど上乗せされるかも知れませんが、それにしても富士山静岡空港に期待できる年間の事業収入は3億円が関の山であることをしっかりと押さえたうえで、私たちは空港事業にかけるべき費用を論じなければなりません。

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